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db2改,完成への道【その1】
- 2007/05/16(Wed) -
2005年10月

「耐久レースに出ませんか?」

 フルカスタムの00年式DUCATI Monsterのオーナーであり,「Monster Magazine」の主催者としてオートバイ仲間からも一目置かれているGONさんは,俺の永遠のライバルである.

 そのGONさんからレースに出ないか,というメールをもらった.
 レースとは,2005年のMAX10の最終レースで,11月に宮城県のサーキット「ツインリンクもてぎ」で行われる3時間耐久レースのことだ.

 オートバイ乗りである以上,「レース」という響きに心弾まない者はいないだろう.

 いつかはレースに・・・

 自分の実力がどんなレベルであっても,心のどこかでそう思っているライダーは多いはずだ.
 もちろん俺も例外ではない.
 
 「エントリーフィーを払って,サーキットの走行会に出るつもりで走ればいいんだよ」

 とのダメ押しメールを受信.
 もう,いてもたってもいられず,

「いいですよ〜」

 と思わずお気軽な調子で返信していた.
 GONさんからの最初のメールからわずかに2分弱.
 この短い時間のやりとりが,後々あんなとんでもないことに発展するなんて,そのときの俺はまったく予想すらしていなかった.

                 *  *  *

 俺の愛機は「bimota db2 Jr.」という.
 dbの「d」と「b」は,それぞれDUCATIとbimotaの頭文字からとられている.
 つまり,「イタリアのビモータ社というビルダーがドカティ製の400ccエンジンを使って組み上げたオートバイ」という意味だ.

 製造年は1994年.
 作られてから,すでに10年以上が経過しているオールド・バイクだ.

 db2の乗り味をあえて一言で表すならば,とにかく気持ちがいいということに尽きる.
 スロットルの動きにリニアに反応するエンジン,高い重心から一気に倒れ込むバンクスピード,400ccの軽い車体がもたらす軽快な走り,旋回に入るとまるで溝にはまったかと思うくらい安定してグイグイと曲がっていくオン ザ レール感覚.
 どれをとっても10年以上前のオートバイとは考えられない性能だ.

 db2を手に入れるまでの俺の相棒は「DUCATI Monster S4」だった.
 DUCATI Monster とは,かつてのスーパーバイク「851」の鋼管トラスフレームに900 SSの空冷エンジンを搭載したネイキッド・マシンで,S4とはそのフレームをSTのものに換えて剛性をアップし,あのタンブリーニ設計のDUCATI 916の水冷エンジンに換装したパワーアップ・バージョンなのだ.

 しかし,db2を手に入れてからというもの,俺はあまりの楽しさにS4のことがまったく頭からなくなってしまった.
 車体の「軽さ」がもたらす楽しさに目覚めてしまったとでも言えばいいだろうか?

 どこに行くにもdb2,寝ても覚めてもdb2・・・
 そしてその挙げ句,
 「乗らないオートバイはいらーん!」
 とばかりに,S4を躊躇なく売り飛ばしてしまったのだった.
 あれはあれでとてもいいオートバイだったのに.

 さようなら,S4.君のことは忘れないよ・・・

 中古で手に入れたdb2は,走りの性能と究極のハンドリングを追求するがゆえに,前オーナーの手によってさまざまなカスタムが加えられていた.
 その結果,db2が僕の手元に来た時には,お世辞にも「綺麗」と言える外観ではなかった.
 もちろん,惚れ込んで手に入れたdb2だけに,そんなことは些細な問題だが,1つ困ったことがあった.

 オイルがダダ漏れなのだ.

 これではサーキットを走らせるわけにはいかない.
 それによく調べてみると,ペダルのリンクが割れていたり,エキパイとリアサスのクリアランスが不十分だったりと,改善しなければならない箇所がいくつかでてきた.
 
 考えてみればdb2を譲り受けてから約半年間,なんの点検もしないまま乗り回している.
 レースの開催までわずか1カ月.
 参戦する以上,それに相応しい準備が必要である.
 ここは1つ,レースのレギュレーションに合わせてdb2をセッティングするついでに,軽く点検・整備と行こうではないか!

 そこで俺はいつもマシンの整備をお願いしているショップ,「パワーハウス」に連絡を入れた.
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